割れてしまった陶器は接着剤で直せる!修復する方法やコツとは
お土産で購入した思い出の湯飲み、プレゼントでもらった高価な花瓶、もしも割れてしまったら、諦めるしかないのでしょうか。実は割れてしまった陶器、接着剤でも修復できます。この記事では、陶器が割れたときに接着剤で修復する方法を紹介します。最適な接着剤選びや、修復作業のコツも紹介するので、ぜひ参考にしてください。
割れた陶器の修復は接着剤でも可能
接着剤には無数の種類があり、それぞれ成分や機能が異なります。また接着方法によっても多くの種類があり、その分別は無限にあるといっても過言ではありません。
では割れてしまった陶器、接着剤で貼り合わせて修復することは可能なのでしょうか?結論から申し上げますと、接着剤でも割れた陶器の修復は可能です。ただし粉々に割れてしまった場合や、破片がすべて見つからない場合は修復困難です。
あくまでも割れ方が小さく、破片がすべて揃っている場合に限ります。思い出の詰まった大切な陶器が割れてしまっても、処分する前に接着剤による修復を試してみましょう。
なお、陶器の修復には接着剤選びが重要です。次項では、陶器の修復に最適な接着剤の選択方法を紹介します。
割れた陶器の修復に使う接着剤の選び方
先述したように、接着剤には多くの種類や製品があります。基本的には「陶器用」や「せともの用」と記載された接着剤を使用しましょう。使用用途の多い汎用接着剤も便利ですが、陶器の修復には力不足の可能性があります。
「エポキシ樹脂」の接着剤もおすすめです。エポキシ樹脂接着剤は、ほかの接着剤よりも強度が高く、一般的な瞬間接着剤や木工用接着剤よりも強力に接着できます。
エポキシ樹脂接着剤とは
1液タイプと2液タイプの2種類がありますが、陶器の修復には2液タイプがおすすめです。2液タイプは本剤と硬化剤に分かれており、2つを混ぜることで、化学反応を起こして固まります。
1液タイプは接着剤を固めるために専用の機械が必要です。そのため、家庭用に販売されているエポキシ樹脂接着剤は、2液タイプが主流となっています。
2液タイプの効果時間は最短で30分程度です。短時間で固まるため、工作や簡単なDIYでも使いやすいでしょう。エポキシ樹脂接着剤は、室温の高い夏は固まりやすいですが、冬は時間がかかる傾向にあります。寒い時期には、しっかりと時間を置いて接着剤を固めましょう。
割れた陶器を修復する方法とコツ
割れた陶器を修復する際の手順を紹介します。細かいステップで修復作業を実施すると、失敗を防げます。
陶器を接着剤で修復する際のコツ
まずは割れた破片をすべて回収し、接着面とともに水分や汚れをふき取っておきましょう。どの破片から接着すればいいのか、接着剤を塗布する前のシミュレーションも重要です。
次に接着剤に付属されていたヘラを使い、接着面に塗り付けます。破片を元の状態と同じように組み合わせ、手で力を入れて固定します。すぐに手を離すとズレる可能性があるので、注意しましょう。もし接着剤がはみ出た場合には、爪楊枝や綿棒などを使ってふき取ります。
しっかりと乾燥できたら、次の破片の接着に移りましょう。一つひとつの破片を丁寧に貼りつけることで、仕上がりに違いが出ます。すべて接着できたら、1~2日ほど乾燥させましょう。これで割れた陶器の修復は完了です。
接着剤にひそむ危険性
簡単そうに見える割れた陶器の修復ですが、実は危険性も含んでいます。体調不良を起こす可能性もあるため、必ず接着剤の取り扱い説明書を確認しておきましょう。
多くの接着剤は「火気に注意」と記載されています。接着剤には有機溶剤が含まれているため、引火のおそれがあります。コンロの近くやタバコを吸いながらの作業は危険です。火の近くを避け、安全な場所で作業しましょう。
作業場所の換気も重要です。接着剤は、においのキツイものがあります。密室で作業していると、気分が悪くなったり、頭が痛くなったりするリスクがあります。窓を開けたり、換気扇を回したりして、室内ににおいが充満しないように注意しましょう。
また接着剤は、やけどを引き起こす可能性があります。なぜなら衣類に染み込んで接着剤の表面積が拡大した場合、化学反応が急激に進み、化学反応熱が発生するからです。軍手のうえに大量の接着剤が付着し、それが染み込んでしまうと、大やけどに発展するおそれがあります。
接着剤によるやけどを防ぐには、作業時、布製の軍手は避けましょう。ゴム製やビニール製の手袋がおすすめです。また、衣類に接着剤が付着した場合には、慌てて脱ぐのではなく、衣類のうえから冷水で充分に冷やしましょう。
まとめ
陶器が割れてしまっても、専用の接着剤を利用すれば修復できる可能性があります。諦めずに細かい破片も回収して、保管しておきましょう。接着剤には使用用途の広いもの、専門性の高いものがあります。陶器用の接着剤やエポキシ樹脂接着剤を利用すれば、よりキレイに修復できるでしょう。
接着剤を使用する際は、火気や換気に注意します。衣類や皮膚への付着にはとくに注意しましょう。接着面が広がると、やけどを負う可能性があります。接着剤は正しく、安全に利用しましょう。